派遣社員の試用期間、研修期間中でも深夜労働手当、休日手当、残業手当は貰えるの？

はじめに

まだ派遣社員でも試用期間もしくは研修期間なので、深夜の労働でも深夜労働手当、休日手当、残業手当は貰えないかもしれないと思われている方もいるかもしれません。結論から先に書くと試用期間、研修期間であっても深夜労働手当、休日手当、残業手当はしっかりと貰えます。

そこで今回は試用期間や研修期間とは何なのか、なぜ試用期間や研修期間でも各種手当が貰えるのか、各種手当とはどのくらいの割増賃金なのかを詳しく見ていくことにします。

はじめに
試用期間、研修期間とは？
深夜労働手当、休日手当、残業手当が貰える理由
深夜労働手当、休日手当、残業手当とは？
まとめ

試用期間、研修期間とは？

試用期間とは

そもそも派遣の試用期間とは何なのでしょうか。文字通り試しに1～6か月ほど働いてもらい、その間に勤務態度や能力、技能などを見て、本採用するかどうかを判断するための期間です。

ちなみに試用期間の長さは1～6か月ほどが一般的なだけであって、労働基準法で明確に定められているわけではありません。派遣会社によっては6か月を超えることもあります。

また解雇する場合は、30日以上前に予告するか、30日以上の賃金の支払いが義務付けられています。

研修期間とは

一方研修期間とは仕事の基礎を学ぶための教育期間です。一般的には数週間から1か月程度が多いです。こちらも期間については労働基準法で明確に定められているわけではありません。

試用期間と研修期間の違い

研修期間においても解雇する場合は30日以上前に予告するか、30日以上の賃金の支払いが基本となります。

	期間	目的
試用期間	1～6カ月	勤務態度や能力・技能を判断するための期間
研修期間	数週間～1カ月	仕事の基礎を学ぶ期間

深夜労働手当、休日手当、残業手当が貰える理由

労働基準法では派遣社員が試用期間や研修期間であったとしても、通常の派遣社員と基本的には同じ扱いになります。また労働基準法でも試用期間、研修期間であることを理由に各種手当を不支給とするというような規定はありません。

なので深夜労働、休日労働、時間外労働（残業）をした場合は、通常の派遣社員と同様、その労働した時間に応じて深夜労働手当、休日手当、残業手当が貰えます。

深夜労働手当、休日手当、残業手当とは？

深夜労働手当とは

派遣での労働が夜の10時から朝の5時にかかる場合、その間の労働時間に対しての賃金は、通常の労働時間、労働日に対しての賃金の2割5分増しの賃金を支払わなければならないと労働基準法（労働基準法第37条3項）で定められています。これが深夜労働手当、夜勤手当です。

例えば通常の時給が1000円だとしたら、深夜の夜の10時から朝の5時にかけての労働だと時給は1250円となります。詳しくは派遣で深夜労働手当、夜勤手当が貰えるのは何時から何時まで？で解説しています。

深夜労働手当が適用される時間帯

時間外労働手当とは

時間外労働手当（残業手当）とは法定労働時間である1日8時間を超える労働時間、または1週間で40時間を超える労働時間に対して支払われる割増賃金のことです。例えば派遣で1日9時間労働なら1時間は時間外労働手当が、週45時間勤務なら5時間が時間外労働手当となります。

時間外労働手当は通常の労働時間、労働日の2割5分増しの割増賃金が支払われます。詳しくは派遣社員の残業時間と残業代（時間外労働手当）についてで解説しています。

法定労働時間と時間外労働（残業）について

休日労働手当とは

労働基準法では週1日または4週で4日以上の休日を設定することが義務付けられています。これを法定休日といいます。この法定休日に出勤した場合は、通常の労働時間または労働日の3割5分増しの賃金を支払わなければなりません。これを休日労働手当といいます。

例えば時給2000円の派遣社員が法定休日に出勤した場合は時給は2700円になります。休日労働手当については派遣の休日出勤で休日労働手当（割増賃金）が貰える条件、土曜日は？でも詳しく解説しています。

まとめ

今回は派遣社員の試用期間、研修期間において、深夜労働手当、休日労働手当、時間外労働手当（残業代）は貰えるのかどうかについて解説しました。最初に述べた通り、通常の派遣社員と同様これら手当はしっかりと貰うことができます。

試用期間や研修期間であっても労働基準法ではこうした手当を不支給にしていいといった規定はありません。なので一般の派遣社員と同様の取り扱いが求められるわけです。

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kain